【12月7日 AFP】アフガニスタンの旧支配勢力タリバン(Taliban)の複数の幹部は6日、最高指導者アクタル・マンスール(Akhtar Mansour)師が生存している証拠として公開された音声メッセージの信ぴょう性に疑問を呈した。元最高指導者オマル(Mullah Omar)師の死を隠ぺいしていた指導部に対する不信感があらわになっている。

 4日にパキスタンで起こった銃撃戦でマンスール師が死亡したと、多くの情報筋や武装勢力周辺が伝えたことを受け、タリバンは5日夜、同師のものと
する16分間の音声メッセージを公開した。しかし、タリバン創始者で初代指導者であるオマル師の死を2年にわたって隠していた指導部に対し不信感をもって
いる幹部らは、マンスール師の消息に関しても依然、疑いを抱いている。

 南部ヘルマンド(Helmand)州を拠点とするマウラウィ・ハニフィ(Mawlawi Hanifi)司令官はAFPに対し「私は(公開された)音声を聞いたが、偽物のようだ」と語った。「マンスール師の声をまねたものだと思う。マンスール師自身が2年の間、私たちをだましていたのに、どうして今、これを信じることができるだろう」

 もう一人のタリバン幹部は、新しい指導者を選んで「この突然のショック」から組織が抜け出るために、タリバンは時間稼ぎをしていると指摘し「もっ
と証拠が必要だ」と結論づけた。また別のタリバン幹部2人も同様の疑念を表明し、マンスール氏は負傷によって4日に死亡したと主張した。
(c)AFP/Mushtaq MOJADDIDI