【12月18日 AFP】レアル・マドリード(Real Madrid)でスーパースターとしての地位を確立しているクリスティアーノ・ロナウド(Cristiano Ronaldo)が、世界各地のホテル事業に3700万ユーロ(45億円)を投資する計画を進めていることを明かし、その視線の先はすでに引退後の第2の人生にも向いている。

 ロナウドは17日、AFPに対して「セカンドキャリアのことを何も考えず、現役を終える選手は多いけれど、僕の将来はもう決まっている。自分のブランドに力を注ぎたい」と語った。

 世界最優秀選手「FIFAバロンドール(FIFA Ballon d'Or)」に3度輝いた実績を持つロナウドは、故郷のマデイラ諸島にゆかりのあるホテル運営会社、ペスターナ・ホテル・グループ(Pestana Hotel Group)と提携し、自身の愛称「CR7」を冠したホテルを開業する計画を明らかにした。

 ロナウドはサッカー選手としてのキャリアを過ごしたフンシャル(Funchal)、リスボン(Lisbon)、マドリード(Madrid)の3都市、そして将来的な参戦がうわさされる米メジャーリーグサッカー(MLS)のクラブがあるニューヨーク(New York)にホテルを建てる計画を進めている。

「まだ30歳だし、選択肢はたくさんある。まわりからもすごく支えてもらっていて、僕は本当に幸せ者だ」と話すロナウドは、「ほかにもプロジェクトは増えていくだろう」と続けた。

「僕がやりたいのは、自分の名前のついたブランドが、その業界で頂点に立つことなんだ」

■監督業には今のところ興味なし

 今回のインタビューは、リスボンにあるペスターナ系列の豪華ホテルのラウンジで行われた。グレーのビジネススーツに赤いネクタイを締めた姿には、すでに品格が感じられる。

 現役生活について、「あと6年か7年、ひょっとすると10年」は続けたいという希望を話す一方で、ロナウドには指導者の道に進むという選択肢はまったくないようだ。

 ロナウドは、「監督になった自分は想像がつかないな。それは今のところ考えていない」としながらも、「だけど、考えが変わらないとは誰にも言えないからね」と付け加えた。

 太西洋に浮かぶ群島からなるマデイラ諸島、その中心都市であるフンシャルで、労働者階級の家庭に生まれたロナウドは、11歳のときに首都クラブのスポルティング・リスボン(Sporting Lisbon)に引き抜かれた。

「マデイラは僕にとって一番大切な出発点なんだ」とロナウドは話している。

 CR7ブランドのホテルの1号店は、2016年夏にマデイラでオープンする予定となっている。そしてスポルティングでユース時代を過ごしたリスボン、さらに2017年中にはマドリードで、順次開業を目指すという。

 ホテル業に興味を抱いた理由について、ロナウドは「現在はサッカーが僕にとって世界の中心だけど、人生は移り変わるものだし、昔からホテルの支配人には憧れていたんだ」と説明している。

「だけど、これだけの規模のプロジェクトを僕だけで動かしていくのには無理がある。ポルトガルでこの業界なら、ペスターナ・グループが一番だ」

「プロジェクトはマデイラで産声を上げる。僕らのルーツがあり、家族のいる場所でね」

(c)AFP/Olivier DEVOS