【1月20日 AFP】国際環境保護団体グリーンピース(Greenpeace)は20日、中国で2015年、大気の質における国内基準を満たせなかった都市の数が300近くに上ったとする調査結果を明らかにした。

 中国の多くの都市は、火力発電所による石炭の燃焼、重工業部門の工場の操業、および自動車の使用を原因とした深刻な大気汚染に見舞われており、国民が共産党政権に対する不満を募らせる大きな要因ともなっている。

 グリーンピースが政府統計をまとめたところ、調査対象となった国内366都市で、有害な微小粒子状物質「PM2.5」の平均大気中濃度は世界保健機関(WHO)が推奨する値の上限の5倍超に達した。また全体の8割に当たる293都市は、WHOよりも緩い国内の基準にも届いていなかった。

 PM2.5の許容量は、WHOが定める基準では年間平均で1立方メートル当たり10マイクログラムとされているのに対し、中国の基準では同35マイクログラムとしている。主要都市を含む調査対象となった都市でWHOの基準を満たした都市は一つもなかった。(c)AFP