SSブログ

  • SmaSurf クイック検索

【アフガン病院誤爆】不可解な米軍の説明を専門家が批判! [戦争・紛争]

【12月2日 AFP】アフガニスタンで起きた米軍機による病院誤爆について、専門家らは、米軍による原因調査で挙げられたミスはあまりにも「無謀」なものであり、旧支配勢力タリバン(Taliban)掃討に必死になるあまり規則を意図的に破ったのではないかという不穏な疑問を浮かび上がらせていると指摘している。

 アフガン北部クンドゥズ(Kunduz)で国際医療支援団体「国境なき医師団(MSF)」が運営していた病院は、10月3日に米軍の爆撃を受け、30人が死亡した。タリバンはこれに先立つ9月末、クンドゥズ州の州都である同市を一時制圧し、2001年に政権を奪われて以降、最大となる軍事的勝利を収めていた。

 ジョン・キャンベル(John Campbell)・アフガン駐留米軍司令官は先週、誤爆は「人為的なミスが主因で、システムの故障や手順の誤りがそれに重なった」との調査結果を発表した。

 だが、AC130対地攻撃機による誤爆を招いた要因としてキャンベル司令官が挙げた一連のミスについて、独立系政策研究機関「アフガニスタン・アナリスツ・ネットワーク(Afghanistan Analysts Network)」のケイト・クラーク(Kate Clark)氏は、「長い間、標準の行動手順とされてきた」防止策に反すると指摘。「こうした手順の軽視が意図的だったのかどうかという疑問が残る」とし、独立機関による調査の必要性を強調した。

 専門家らは、米軍が爆撃を行っている間、アフガンの治安部隊は何をしていたのかなど、説明されていない点が複数あると指摘。また、要因として挙げられたシステム故障の一部は理解不能なものだとしている。

 

■穴だらけの説明

 キャンベル司令官の発表内容のうち、専門家らが不可解だとしているものの一つに、AC130攻撃機がミサイルの標的となっていることを検知し進路
を変更した後に照準システムが「劣化」したという説明がある。これによって乗員は、AC130攻撃機のシステムが示す攻撃目標に「最も近い大型の建物」を
探すことを強いられたという。

 またクラーク氏は、攻撃機に乗っていた兵士らが、自分たちが標的としていた建物がMSFの病院だと認識していなかったとは信じがたいと述べている。同病院は「電気も通っていない町で夜間にただ一つ明かりの灯った、極めて目立つ建物」だったという。

 キャンベル司令官の説明によれば、攻撃機の機器の故障のため、映像や通信システムが機能しなかったことなどが原因で、首都カブール(Kabul)郊外のバグラム(Bagram)空軍基地の司令部では、攻撃機が病院爆撃の準備に入っていることに気付かず、「混乱」した状態だったという。

 保護されるべき場所を攻撃目標にしていないことを司令部が確認できていなかった、とのキャンベル司令官の説明について、クラーク氏は「作戦に直接
関わった者たちの範疇を超えて広がる」体系的な崩壊が起きたことになると述べ、一連のミスは「キャンベル司令官がわれわれに信じ込ませようとしている内容
よりもはるかに深刻な性質のものだ」と述べた。

■アフガン部隊は「攻撃目標を目の当たりに」

 調査報告で触れられている内容と同じくらい重要なのは、触れられていない内容だ、と指摘するのは、ロンドン(London)の軍事専門家J・チャコ(J Chacko)氏。

 調査結果の概要によれば、米軍は標的の誤りに気付くのにほぼ30分を要した。「29分間の攻撃中に何が起きていたのか?」とチャコ氏は問うと、複数の米メディアが存在の可能性を報じている操縦室の記録や音声記録について、調査結果の概要は触れていないと指摘した。

 チャコ氏によると、地上のアフガン治安部隊は「攻撃目標を目の当たりにしていたはずだ」が、爆撃中の治安部隊の行動についての説明は「特に乏しい」という。

 また、匿名で取材に応じたアフガンの安全保障専門家は、アフガン治安部隊は「これが正しかったかどうかは分からないが、タリバンが病院内にいて、排除しなければならないとの考えから」米軍に標的の誤りを早急に伝えなかった可能性があるとの見方を示した。

 米軍の誤爆については、戦争犯罪に当たる可能性があるとの声も上がっている。MSFの報告書によると、攻撃は1時間ほど続き、患者はベッドに取り
残されたまま炎に包まれ、首や身体の一部が切断された人もいた。逃げ惑う人々を攻撃機が機銃掃射したとの目撃証言もあるという。

 MSFは、独立機関による調査を再三にわたって要求している。クラーク氏は、「10月3日の夜に起きた事は、規則の放棄を意味するように思える」「独立機関による調査を要求する声が続いているのも、驚きではない」と述べた。

 米当局は、3000ページにわたる完全な報告書は編集が終わり次第公表するとしている。(c)AFP/Issam AHMED / Sarah TITTERTON

http://www.afpbb.com/articles/-/3068828?pid=0 より転載。

 


nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:ニュース

nice! 1

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

トラックバックの受付は締め切りました

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。