【12月2日 AFP】昨年12月に乗客乗員162人を乗せて飛行中、インドネシア沖のジャワ海(Java Sea)に墜落したエアアジア(AirAsia)QZ8501便の事故の最終報告書は、緊急時対応に対するパイロットの訓練不足を指摘した。

 インドネシアの国家運輸安全委員会による最終報告書は、墜落したエアアジアのエアバス(Airbus)A320-200型機の方向舵(ラダー)を制御するシステムの障害が事故につながったと結論付けた。

 一方、システムをリセットしたのはパイロットの判断だった。その結果、自動操縦が解除され、緊急時の操縦にパイロットが不慣れだったため、機体は急速に傾いた。機体がその後、バランスを取り戻すことはなかった。

 報告書は「乗務員はエアバスA320型機の傾きを立て直す訓練を受けていなかった」と指摘し、機体が「乗務員の復旧能力を超える長時間の失速を続けた」と述べた。

 QZ8501便は昨年12月28日、インドネシアのスラバヤ(Surabaya)からシンガポールへの定期の飛行中に墜落した。

 報告書によると、墜落した機体では、ラダー制御システムの一部の接合部分にひびが入っていたことにより、パイロットに警告が繰り返し発せられていた。障害を示す警告は過去1年間で23回出ていたという。

 操縦士が障害に対応したものの緊急事態に対処できず、副操縦士が機体の操縦を行った。さらに、海に向かって落下する中でパイロット間の意思疎通ができていなかったことも、事態をさらに悪化させたという。(c)AFP/Sonia WOLF

 http://www.afpbb.com/articles/-/3068841 より転載。