【12月4日
時事通信社】中国の習近平国家主席は南アフリカのヨハネスブルクで4日開幕した「中国・アフリカ協力フォーラム」首脳会合で演説し、中国がアフリカ諸国と
インフラ建設、工業、金融、貿易などの10分野で今後3年間に協力プロジェクトを計画し、総額600億ドル(約7兆3000億円)を拠出すると表明した。
巨額支援を通じ、アフリカへの影響力を拡大したい狙いがある。

 習主席は中国とアフリカは「運命共同体だ」と訴え、双方の関係を「全面的な戦略的協力パートナー」に格上げすることを提案した。協力プロジェクト
として、アフリカ連合(AU)の即応部隊支援へ6000万ドル(約73億円)の拠出を明らかにしたほか、最貧国への一部債務の免除を表明。アフリカ人の技
術向上に向けた技術者20万人の教育計画に加えて、干ばつの被害を受けた国々への食料支援も打ち出した。

 資源価格の下落や中国の経済減速を受け、今年上半期の中国からアフリカへの直接投資は前年同期比で40%以上減少。アフリカ諸国には中国との協力
関係を懸念する声もあるが、習主席は巨額支援でアフリカとの協力強化をアピールし、各国からの支持を集めたい考えだ。インフラ整備により国内でだぶついた
鉄鋼やセメントなどをアフリカで有効活用する思惑もうかがえる。

 成長が期待されるアフリカをめぐっては、米国が2014年に各国首脳との会合を行ったほか、インドも今年10月に同様の首脳会議を開催。日本もア
フリカ開発会議(TICAD)首脳会議を16年にアフリカで初めて開く予定で、中国にはこうした動きをけん制したい考えもある。(c)時事通信社

http://www.afpbb.com/articles/-/3069131 より転載